絵柄解説
左手にそり、右手には火を持っています。これは冥界の闇の中を、一晩中進んでいくための「蛇形のそり」を意味しているのです。つまりは地平線下の太陽を暗示しているのがアトゥム神なのです。そして、「隠者」のカードに相応しい神もまたアトゥム神なのです。時として老人の姿で表現される神であるアトゥムは、死後生命の導き手として、冥界の闇の中を太陽として照らして行くのです。先祖達の知恵をないがしろにしてはならないこと、地平線下の太陽は、やがて又、朝日として出現することが確実であるので、永遠の隠者ではないこと、夜間の間に知恵を磨くべきであること、第一線からは遠ざかった方が真理に近づき得ることなどを暗示していています。
正位置
経験、高尚な助言、精神性、悟りや内観、単独行動、慎重、思いやり
隠者のカードが正位置で開かれると、それは自分の内面へと目を向けるように、促されていることを表します。未来や過去、周囲ばかりに目を向けず、現実の足元に目を向けなさいというメッセージでもあります。周りの言葉や変化に動揺せずに、自分の意思を尊重して、人生を歩むべき時だと暗示しているのです。
逆位置
閉鎖的、陰湿、消極的、劣等感、悲観的、人生での迷い、思い込み
隠者のカードが逆位置で開かれると、その内側に目を向ける意味が、悪い方向で出てしまいます。
自分の考えや価値観に閉じこもりがちになり、それが原因で空回りしているようです。
周りの声に耳を傾けて、信頼できる人からのアドバイスも参考にしましょう。