解説
ペンタクル=金貨のエレメントは地です。お金や物事、現実を意味させるシンボルになっています。物品や物質的なもの、また金銭的、資産や財産を現します。
古代エジプトのファラオ(王)たちは、太陽を主神とし、太陽のシンボルとして金を崇めていました。彼らにとって金の輝きは、おそらく太陽の光そのものだったに違いありません。ファラオたちは、みずからの死に際して金銀財宝を王墓のなかに持ち込みました。さらに、みずからを太陽神に重ね合わせるかのように、黄金のマスクをつけ、黄金の棺に入り、黄金の装身具に包まれて永遠の旅に出ました。
しかしそれは、彼らが死後の世界を信じていたからだけではなく、金がなにものにも侵されず永遠に輝き続ける不滅の物質であることを認識していたことの証しでもあります。ちなみにもっとも有名なファラオであるツタンカーメンの棺は、なんと1トンもあると言われています。
正位置
ペンタクルのカードを眺めてみると、お金にまつわることが描かれていることに気づくでしょうか。1~10までのペンタクルの物語は、お金という富を得たことによって生じる心の葛藤が見て取れます。また、広い意味での成功や豊かさを象徴しています。エレメントでは土にあたり、金貨の元になる鉱石や金などが地中に存在することから、物質的な価値や基盤を表すことも。心が満たされなかったり、将来への不安や心配を抱くなどのネガティブな側面も持ち合わせています。
物質的な豊かさは私たち人間に幸福をもたらしますが、物に執着してしまうと「問題」が生じることも多々あるのが人生です。
お金を人のために使うのか、こっそりとため込んで誰にもとられないように見張り続けるのか。得たものをどう使うかは人それぞれ。ペンタクルのカードは、堅実的に物事を考えて進んでほしいというアドバイスでもあります。
エースはペンタクルの物語の始まりです。ペンタクルのエースは今までの努力が実を結んで成果や安定した基盤を得られることを表しています。そして、エースに対応する数字の「1」は男性的なエネルギーを強く秘めています。転じて、次のステップへ進んで行ける新たなスタートも予感させているのです。
逆位置
私たち人間は肉体を使って労働し、そこで得たお金を使って物を手に入れます。ですが、利益を優先しすぎて、体を壊してしまっては本末転倒です。
ペンタクルの逆位置は「もっと現実を見てほしい」というメッセージ。強欲になっていませんか? 不安で胸がいっぱいになっていませんか?立ち止まって自分自身に問いかけてみてください。
「頑張っているのに豊かになれないのはどうして?」そんな不満のある時にもペンタクルの逆位置は出現します。
ペンタクルには労働によって大変な思いをしている人や、お金を得たことで悩んでいる人物がたくさん描かれています。彼らの状況と自分の状況を照らし合わせてみると、打開策が見えてくるでしょう。